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古市憲寿著『絶望の国の幸福な若者たち』を読んで

コロナ関連のニュースで事あるごとに「若者が、若者が」というのを耳にしていたら”若者とは一体何を指すのか”ということが気になり、そんな折、図書館をぶらぶらしていたら本書『絶望の国の幸福な若者たち』が目についた。

”若者たちについて書かれていそうだし、これを読んだら少しは若者とは何かがわかるかもしれない”と思い読んでみた。

2011年発行の本でちょうど10年前の本だったけど、書かれている内容を現在に照らし合わせても大差ない気がした。

若者という言葉が指すものはひどく曖昧で【これが若者だ】というのはない。

だからこそ、【若者】という言葉を使ってあれこれ語ろうとしてしまう、そういうことなのだろう。

自分はもう若者ではない、と思っている人達が、今も【若者】というひどく曖昧な括り方で、ああだこうだと議論している。

本書で著者が階級の消滅とともに若者が誕生した、というようなことを書かれていた。

もしかしたら階級が復活しない限り、【若者】を使った語りは消えないのかもしれない。